仏に宗派は関係なし

2023年12月15日

日本ウクライナ文化交流協会という組織があります。その組織の活動について、2022年だったと思いますが、NHKで放送されていました。その内容は、現在行われている「ロシアとウクライナの戦争」に関することでした。その協会の人達と在日ウクライナ人が協力して、与謝野晶子さんの「君死にたもうことなかれ」という詩をウクライナ語に訳し、ウクライナに寄贈したという事でした。「決して無駄に死んではいけません。死なないでください」という事だと思いますが、詩を受け取った戦闘員たちは、心に刻み戦っていると思います。ロシアもしかりですが、ウクライナの多くの人がこの戦争で亡くなられており、またウクライナはロシアのなりふり構わない攻撃で大変な被害を受けて居ます。私は、資金が出来ればウクライナに「復興菩薩様を寄贈(数十体)したい」と思っています。復興菩薩様が居られれば、実態として復興・復旧の活動して下さいますので、死者の速やかな成仏と復興・復旧が必ず促進されます。一度、この事で阿弥陀如来様にご相談しましたが、阿弥陀如来様からは「小坂さんが今一人でやる事は難しい」と言われました。それに、資金の問題もありますので、できるとしてもかなり時間がかかりそうです。また、ご協力を頂ける人が必要と言えます。

ある時、故・松井光輪管長がお弟子さんから、そのお母さんの「開眼法要」を頼まれたそうです。松井管長は「故人の位牌に開眼供養」をし、法要(お経をあげる)をしました。丁度その時に、松井管長は喉を傷めており声が出なかったので、お経は弟子達があげてくれたそうです。

そのあとで、供養の対象の故人が出てこられて「十何年目に、こんな立派なお経を上げて貰って大変感謝しています」と話されたそうです(僧侶のあげるお経は、私達一般人と異なり、大変なパワーを持っているのです)。そしてそれから、「日本の仏教の開祖様が、皆出てこられてお経を上げてくれました」と言ったそうです。

松井管長がお経が読めない状態でしたので、開祖達が全員、宗派に関係なく、応援に来てくれたのです。特筆すべき事は、この時開祖一同を率いていたのは弘法大師様だった事です。仏様の世界には上下関係はありませんが、やはりお大師様が開祖たちの間でも一目置かれる存在なのです。これは、お大師様に与えられた役割を考えてみても分かります。お大師様は「日本を管轄するお役目」を授かっているのです。

殆ど全てのご神仏は、松井管長を知っており、松井管長は大変尊敬される大事な存在でしたので、このような事が起こったのです。また、全ての宗派の開祖が、出てこられたという事は、仏界には「宗派」などという概念がない事を意味しています。何故なら、供養を受けていた家は「真言宗」でしたが、真言宗を含めた13派の宗祖が全て出て来てくれて、供養してくれたからです。

但し、各宗派の開祖はやはりこの世の自分の宗派とかかわりを持っています。例えば、高野山に行けばお大師様がいらっしゃいますし、比叡山に行けば最澄様がいらっしゃいます。そして、例えば最澄さんに「かくかくしかじかの手助けをしてくれる僧侶」をお借り出来ないでしょうかとお願いすると、最澄さんは僧侶たちのいる建屋に行き、適切な僧侶を連れて来てくれます。即ち、最澄さんは、比叡山の事を今でも全てご存じなのです。

また、全ての宗派の開祖が如来になっているという事は、どの宗派でも悟りを得る事が出来る事を意味しています。松井管長は、全ての僧侶は頭で考えるだけではなく、行に励みご神仏と話が出来るようになり、「仏界には、宗派の無い事を知り、各宗派が尊敬しあう、認め合う事が大事です」と言われていました。あの世の人達は、仏様の声を聞く事が出来ます。私が一度あの世の母に出てきてもらい話をした時に、ある事で母は「弘法大師様に聞いてみます」と言っていました。

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