賢者の生き方(5)

2023年8月23日

「人間万事、塞翁(さいおう)が馬」ということわざがあります。昔、中国の国境にあった塞(とりで)の近くに住んでいた翁(老人)は、何よりも自分の馬を可愛がっていましたが、その駿馬が突然蜂に刺されて飛び出してしまい、一向に帰ってきませんでした。翁は「これがきっかけで何か良い事が起こるかもしれない」とだけ言って、我慢強く待ち続けました。すると、暫くしてその馬が別の白い馬を連れて帰ってきたのです。その白馬も負けず劣らずの駿馬で、周りの人は口々に「なんと幸運な事か」と囃し立てましたが、翁は「これがきっかけで、別の悪い事が起こるかもしれない」と自分を戒め、決して喜ばなかったそうです。それから、翁の息子が白馬から落ちて片足を骨折してしまいました。周りの人は翁に慰めの言葉を掛けましたが、翁は同様に「良い事の前兆かもしれない」告げました。それから暫くして、隣国との戦争が勃発し、若い者は皆戦争に駆り出されて戦死してしまいましたが、翁の息子はけがをしていましたので戦争にいかずに命拾いしたのです。戦争も終わり、翁と息子たちは、末永く幸せに暮らしたそうです。即ち、私達には「良い事もあれば悪い事」もあるのです。不幸だからと言ってクヨクヨしたり、幸せだからと言って浮かれてはならない」という戒めです。

地球環境の改善に付きましては「温暖化の防止」が一番叫ばれていると思います。しかし、地球環境の悪化は、人間の様々な活動により引き起こされています。

例えば、「温暖化=大量の二酸化炭素の排出、森林の伐採、むやみやたらな人口増加(人間が他の生物の居住地域を奪っている)、動物や魚類の乱獲、公害、森林の放置、土砂の採掘、などなど」により、引き起こされています。

「では、どうすれば地球環境を改善できるか?」という事になります。世界には、多くの環境保護団体や組織があり、様々な環境改善の活動を行っています。一番大きな活動は、皆さんもご存じと思いますが「パリ協定」だと思います。即ち、2015年にパリで開かれた温室効果ガス削減に関する国際的取り決めを話し合う「国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)」で合意されたものです。

多くの若者たちも、温暖化対策を叫ぶようになってきています。しかし、環境改善が進んでいる事例は一つもありません。今こそ、「具体的な環境改善をしなければ、人類は滅亡する(させられる)」という事を世界の多くの人に知って頂きたいと思います。

もう、観念論の時期ではなく、具体的な実行の時なのです、一刻の猶予もありません。全ては、「環境悪化は、人間が犯した結果であり、それを改善するのも人間です。仏様は、「先ず、多くの人間が変わらなければならない」と言っています。

即ち、「霊格がある程度高い人達が、連携し合い、更に霊格を高め」、そしてやがて、「そうした人達が、正しい心を持ち、善良な行為を行い、地球環境の改善策を作り実行し、善因善果の循環が起こり、地球環境が改善されていくように」なるのです。

Copyright © 小坂弘道 All Rights Reserved.