悟りと肉体を維持するもの

2023年10月11日

FBには、時々参考になる投稿がありますが、そうした投稿も正しい部分と正しくない部分があります。一つ、ご紹介してみます。『そもそも、我々人間が、考えたり、感じたり、思ったりしているのは、霊魂なのです。脳を含め肉体は、霊魂が考えたり、思ったりしたことを物質世界で活動・行動するための道具・ツールなのです。肉体は、年を経るごとに、老化し、寿命が尽きると、死を迎える事になりますが、霊魂は、永遠に存在し、生き続けます』という文章は、正しい文章と言えます。しかし、以下のような文章も中にあります。『観音様は実在されます。観音様は、2020年11月に観自在如来様に昇格されました。観音様の神様としてのお名前、神名は「天照大御神」です』という文章です。観音様が如来になる事はあります。その時には、これ迄居られた「観音菩薩様が如来になり、空白となった観音菩薩様には、新たな存在が観音菩薩様になります。ですので、この文章は完全に否定は出来ませんが、問題は昇格という事はありません。仏様には上下の関係がないのです。それから、昇格したという年月です。投稿者がどうしてその年月を知ったのか、事実なのかが疑問です。また、観音様の神様としてのお名前が天照大御神という事は、ありえません。天照大御神様は、高天原を統括している大変重要な神様です。もう一つご紹介してみます。『全ての存在(全ての世界、物質、生命体、霊魂など)は、創造主である明主様(イザナギ様)と弥勒様(イザナミ様)が創り上げたこと』という投稿です。この内容なら、殆どの皆さんが「全て嘘である」という事がお分かり頂けると思います。宇宙の創造主は、宇宙大生命です。ですので、SNSの投稿を見る場合には、投稿内容が真実かどうかを見極める必要があります。

お釈迦様や弘法大師様(お大師様)は、「悟りを得て仏様になられた」と言われています。お大師様は唐に渡り、長安の青龍寺の恵果阿闍梨(真言密教の第七祖)から密教を伝えられました。

お大師様が唐から持ち帰った「真言密教」には、「即身成仏」という教義があります。即ち、この肉身のままで究極の悟りを開き「大日如来様(密教のご本尊)と結合して生き仏」になる事です。

では、その悟りとはどのような状態をいうのでしょうか。「悟り」に付きましては、既に「玉城康四郎先生の悟りと松井光輪管長の悟り」を投稿しました。お二人の悟りに対する意見は異なります。また、お釈迦様は「苦を滅する」ことを悟りと言われました。

悟りに関して興味のある事は、「悟りは肉体にどのような影響を与えるのか」という事です。

「死について」の投稿で、「私達の肉体を維持している物は生命エネルギーである、肉体が生命エネルギーを受け取れなくなれば(維持できなくなれば)、肉体が機能しなくなる。私達は通常それを死と称している」と申し上げました。

また、「霊魂は命そのものである」とも申し上げました。そのことに関して、悟りを得たと称する「故・玉城康四郎先生(1915~1999年)」のお話をお伺いすると一つの疑問がわいてきます。玉城先生は、「宇宙に偏在する純粋な命を感得する事が悟りである」と称されています。先生は最初に経験したことを、「何の前触れもなく突然大爆発した。木葉微塵に雲散霧消してしまった。我に返った時に、むくむくと歓喜が湧き上がってきた」と言っています。その状態は1週間位続き元の状態に戻るそうです。

生命エネルギーは肉体を維持する為のエネルギーであり霊魂ではない事は分かりますが、霊魂と宇宙に偏在する純粋な命の関係(いずれも命と言っています)がどうなのか、という疑問があると思います。

霊魂は「ご神仏などと同じ、光のエネルギー体」ですので、そういう「無垢の光のエネルギー体」が宇宙に遍満しており(大小の光のエネルギー体)、それを玉城先生は「純粋な命」と言っているのだと思われます。

因みに、松井管長は、悟りとは「目に煮えない世界が分かるようになる事」と言われています。私は、玉城先生や松井管長やお釈迦様(苦を滅する事と言われていますが、宇宙の事も分かっていたと言われています)とは違う意見を持っています。即ち、「悟りとは、宇宙のあらゆることが分かるようになる事」だと思っています(宇宙大生命と一体になる事)。

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